技術者・創作・専門職

技術者・創作・専門職

この職種の実情・実例・苦労・必要な条件

記：コンサルタント　天河
[ソフトウエア技術者]
必要条件：数学的思考力。繊細さ
コメント：
大学や専門学校において専門技術を学ぶ人もいるが、そうでなく、全くの素人でも参加可能。ただ、こういう仕事が根っから好きな人間でないと続かない。求人がある、賃金が高いだけの理由でなろうとするのではもたない。
緻密な思考力と、忍耐力、そして何よりも若さが必要。実は仕事自体がいうなれば数学の問題を解き続けていることの連続のようなので、頭が若くないと耐えられない。また、常に新しい手法や技術が入ってくるので、常に新しいものを受け入れる若々しさが必要。
４０歳以上ではやる仕事ではないといえる。２０代が望ましい。
賃金出世は実力主義。何年勤めたからという年功は意味を成さない。実際、昨今のＩＴ会社でも４０代になると、仕事能力が落ちるために、降級、降格なんてことはめずらしくない。

現在のＩＴ事業の躍進により、最も求人の多い職種ではあるが成り手が少ない。
理由は仕事がきついことがあげられる。仕事が多く残業、休日出勤は当たり前。おまけに仕事内容も数学の問題を解き続けていることの連続のようなので、それが本当に好きな人間でないとやってゆけない。
よく、求人の多さと、賃金の高さに惹かれてソフトウエア技術者になる人が多いが、そういう人は半年も持たないで辞める。そういう辞めた人に聞くと、二度とソフトウエア技術者だけはやりたくないという人が多い。
あの、大手のアメリカのマイクロソフトでさえ、平均在籍年数が３年以内となっていて、すぐ辞める人間が多いのである。

[デザイナー]
必要条件：センス、仕事運
コメント：大学や専門学校において数年間専門技術を学ぶ人も居るが、それが完全に必要ともいえない。
むしろ、センス、アイデア力が必要不可欠。運も必要である。その意味で努力してもできるものではない。

[機械・電気技術者、設計者]
必要条件：大学や専門学校において数年間専門技術を学ぶ必要がある。緻密な思考力と、根気、そしてアイデア力が必要。
コメント：
経験がものを言う業種であるため、ソフトウエア技術者のように若年が有利となることは無い。賃金出世も年功になりやすい。
日本の高度成長を支えてきた電気製品、自動車産業発展に不可欠の職種である。華々しい職種ではあるが、その反面ハードである。
よく、電気製品や自動車が短期間数ヶ月単位で新製品が出たり、しかも価格が据え置きどころかどんどん下落しているのを不思議に思いませんか。その裏にこれらの技術者の苦労があるのです。
メーカーからよく「前の製品より価格が半分でしかも、性能をアップした部品を作って欲しい」なんて依頼が来ます。あなたならそれを聞いてどだい無理な注文だと思うでしょう。でも、それをこれらの技術者がなんとか苦労して応じているのです。その苦労は半端では有りません。毎日夜遅くまで働き、なんとか仕上げる。巧くアイデアが出ればよいが、そうでない場合もある。巧くアイデアが出れば一躍褒められ飛躍が期待できるが、逆にアイデアが出ない場合もある。そんなときは自殺したくなる。実際、そうやって自殺に追い込まれる人間もこの業界では多い。自殺しなくても、心労と過労がたたって、過労死になる人間も多い業界でもある。
よく、大手の企業では入社したてのときに見習い、修行と称して製造職で工員として数ヶ月間働かせることがある。見習いのときは「こんな毎日同じことをやっていて飽きるし、楽しくない、早く設計に携わりたい」なんて意見を言っていた人間が、いざ設計業務に携わってゆきずまると「やっぱり製造の仕事の方が楽だ」なんてことを言う人も多い。

実はこの職種は血液型B型の人間の占有率が特に高い。AB型はそういうハードな業務に耐え切れずに真っ先に脱落。もともと大雑把な傾向のあるＯ型の人間重箱の隅を突付くような開発業務に耐えられずに辞めていく。ないしは、結果第一主義で人間性の乏しい環境に疲れるようである。この業界は「大体そのへんで手打ち」なんてことは許されないのである。
結局、残るのは血液型B型やA型の人間ばかりとなる。ただ、その残った人間には過労死が多いのは言うまでも無い。
B型の人間は好きなものには限度が無い。自分の肉体が傷ついているのに、徹夜をくりかえし、ある日突然、心臓が止まったなんてことはよくある。

ある課長の自殺事例

その人は大手企業の機械設計者として、華々しい業績をあげていた。そのため、前代未聞の３０代にして課長の職に就くことができた。同期でもちろんトップの出世である。ところが、低価格製品の開発など仕事で要求されるものがさらにきつくなり、それに対応できるほどのアイデアがでなくなってきた。徹夜続きでなんとか、納期ぎりぎりで製品を完成させたものの。品質検査をろくにしていないので、ほどなく欠陥が発覚。会社に大損害を与える。行き場を失ったその課長は自殺。

あるO型主任の悲哀

なぜ、Ｏ型の人間がこの職種から消えてゆくのかを赤裸々に示す事例がある。
その主任の男性は仕事もできる上に人当たりも良く、周りからはよい人間との評判であった。ところがあるとき、設計したものに予期せぬ不良が発覚した。部品単体としては完璧であったものの、本体製品に取り付けた場合に、他の部品と相性が悪く、とんでもない致命的な不具合となった。しかも、その本製品は既に何万台と日本全国に出荷済み。すぐに対応製品に取替る作業をすることになった。彼はそのために日本全国お詫び行脚と交換作業に赴く日々。眠れない日々が続く。彼の頬はげっそり落ちる。
こういう場合、周りがB型が多いこともあって、周りの同僚や上司の人間は無関心。ちなみにこの設計部に課長が４人居たが３人はB型である。直属の上司もB型。B型は基本的に、周りが何をやっていても無関心なので、自分からは声をかけないのである。それどころか、そういう事情を話のネタにする始末。冷たい職場。B型に何かして欲しいのなら、自分から「・・・して欲しい。」と言わなければならない。でも、言われるとわりと力を貸してくれるのである。
彼は誰にも保護されないままに、会社を辞めた。優秀な人間が見殺しにされた例である。

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